はじめに
当サイト運営者のメカゴリラは現在、某大手飲食チェーンにて10年ほど勤務しております。
また前職は某小売大手チェーン(いわゆるコンビニ)にて2年ほど勤務しております。
どちらもフランチャイズ事業がメインです。
その中で得た知識や経験、内部情報的なものをお伝え出来る限りはお伝えできたらと思います。
同僚の中には退職し自分で店舗を開業したものが多々います。
その方たちとの比較としてわかりやすくお伝え出来たらと思います。
ちなみに、本部社員からフランチャイズオーナーに転職した者、事業拡大したフランチャイズオーナーに雇われていった者もいます。そちらも比較対象としつつお伝えしていきます。
この記事では、私が現在勤務している飲食店という業界を例に比較していきます。
フランチャイズでの開業を考えている方はぜひ、ご覧ください。
私の詳細はこちらからどうぞ
フランチャイズとは一体何なのか?
フランチャイズとは何なのか?
分かっている方はこちらは飛ばしてください。
一方が自己の商号・商標などを使用する権利、自己の開発した商品(サービスを含む)を提供する権利、営業上のノウハウなど(これらを総称してフランチャイズパッケージと呼ぶ)を提供し、これにより自己と同一のイメージ(ブランド)で営業を行わせ、他方が、これに対して対価(ロイヤリティー)を支払う約束によって成り立つ事業契約である。
Wikipediaより
通常、権利や商標、ノウハウなどを提供する側をフランチャイザー(本部)と呼び、受ける側をフランチャイジー(加盟者・加盟店)と呼ぶ。
外部資本を利用し、短期間で多くのチェーンストア店舗展開を進めることを目的とするため、フランチャイズチェーン(FC)と呼ばれることが多い。
上記がWikipediaに書かれていた内容である。
フランチャイズに関わったことのある人であれば分かるが、少し専門用語が入っているため簡易的に説明しようと思います。
簡単に説明すると上記の図の契約を行っている状態をフランチャイズ契約をしている状態。
フランチャイズと言います。
フランチャイザー(本部)は、営業している同チェーンと同じく営業が行えるサービスを提供し、フランチャイジー(加盟店)はそれに対して、一定のお金を払い、契約を守ることが義務となります。
分かりやすく、誰しもが利用したことのあるコンビニに例えてみます。
フランチャイズ契約を結べば、お店の看板や外観、内装、おける商品群、それを用意するための発注システムや届けてくれる物流のシステム。アルバイトの適正人員の情報や募集・採用のためのノウハウ等々。
ほとんど全てがレール上に用意されているような流れです。お店の開業となると多くの知識が必要になってきますが、ほとんどを用意してくれている。すぐに開業ができるといったものです。
これだけ聞くと、良いことばかり!と思われると思います。
実際お店の開業には多くの時間や手間がかかりますが、それを代理で行ってくれるのは大変有用だと思います。
しかしながら、与えられるだけ・・・そんな都合のいいことはありません。
もちろん対価としてお金(ロイヤリティー)を払わなければなりません。
コンビニの場合は毎月の売上から何%かを、本部に支払わなければなりません。この金額はチェーンによって様々です。また契約を守った営業をしなければ、契約解除という事態にもなります。
この仕組みがフランチャイズと言われるものです。
この記事では、
フランチャイズ → FC
フランチャイザー → 本部
フランチャイジー → 加盟店
と記述してまいります。
私自身が勤務した10数年は共に本部側で勤務した経験です。
酸いも甘いもある点を体験談をもとにお伝えしていきます。
どんな業種があるのか?
フランチャイズ比較ネットというサイトがあります。→サイトはこちらから
一番なじみがあるのはコンビニでしょうか。
他にも飲食店(カフェや居酒屋など様々)
フィットネスジムや小売店、買取サービス店、学習塾やクリーニング、保険代理店等々様々あります。
多くのサービスや店舗がフランチャイズを行っていることがわかると思います。
なぜ多くのサービスがフランチャイズ展開をしているのでしょうか?
それは店舗を増やしたり、利益を上げることは1つの会社では限界があります。
フランチャイズにより、この問題を解決し一気に展開することが出来るため、多くの事業者がフランチャイズ展開を行っているのです。
メリット・デメリット
おおまかにFC開業のメリット・デメリットと、独自開業でのメリット・デメリットを比較してみましょう。
FC(フランチャイズ)
メリット
・多くの分野の知識、経験を必要としない。
・開業資金があれば、まず開業できる。
・有名店舗の看板(ブランド)が最初から手に入る。
・本部からのサポートがある。
・開業後すぐに、ある程度の利益が見込める(知名度がある)
デメリット
・定期的に金銭を支払わなければならない。
・本部との契約があり、自由度は少なく、融通は利かない。
独自での開業
メリット
・自分のやりたいこと、やりたいようにできる。
・利益は全部、自分のもとに。
デメリット
・自分ですべてを行わなければならないので相応の知識が必要。
・自分でマーケティングを行わなければ、お客様が来ない。
メリット・デメリットは、FCと独自での開業では相反関係にあります。
見る限りでは、FCの方がメリットが多いのではないのか?と考える方が多いのではないでしょうか?
果たしてそうでしょうか?
続いて、各分野での比較を行っていきます。
初期資金
まずは、初期資金で比較してみようと思います。
初期資金の内容としては、開業までにかかる費用の合計と定義して考えていきます。
まずはFC(フランチャイズ)の場合
選んだFCの業界にもよるので、ピンキリだとは思いますが、ここでは飲食店の場合にて考えていきます。
大体100万円~500万円ほどです。FCによってさまざまな制度があり、開業までに研修を行うか否かや、経験者であるかどうか等により、価格は上下します。
そのチェーンで働いた経験や、そこでの役職等によっては100万円近くまで下がることもあります。
しかしながら、基本的には300万円~500万円ほどです。
内訳としては、加盟金と言われる一時金のようなもの、研修の費用、各種サービス・保険の費用といったものです。また最初の商品や材料の仕入れ代金は、帳簿上に乗っかる形が多く、最初に支払う必要はない場合が多いです(帳簿上には乗るので、負債、借金扱いになるため、いずれ支払う必要はあります)
備品等に関しても同様です。基本的には減価償却という形になりますが、初期での費用としては多くはありません。
続いて、独自での開業を行った場合、
正直、FCの時以上にピンキリです。内装や外装にどれだけこだわるかで、費用は大きく変わってくると思います。運よく居抜きのいい物件が賃貸できたとしても、多少の改装は必要となるでしょう。
また備品の購入資金や材料の仕入れ等、金額は増えていきます。
少なく見積もっても200万~500万円・・・チェーン店のような初期状態を望むようであれば、1000万円以上は必要でしょう。
開業資金の面だけを見れば、FC(フランチャイズ)に大きく軍配があがるでしょう。
商品力
店舗を営業していく中で最も大きな要素と言えば、商品力でしょう。どんなに立派な建物でも、出している商品が優れていなければお客様は来ないでしょう。逆に建物が汚くても、商品が良ければお客様は来てくれると思います(客層は偏り健全な運営とは言えませんが)
まずはFC(フランチャイズ)の場合
商品は決められています。チェーンとして運営してきて実績のあるメニューがほとんどでしょう。
良く言えば、はずれがなく実績のあるメニュー。悪く言えば、どこにでもあるメニューになります。これを良くとるか、悪くとるかは人それぞれなので言及はしません。
また材料に関しても、基本的にはチェーンが用意してくれます。こちらの材料もメニューと同様です。良く言えば・・・ということです。基本的には材料原価は一般で買うよりも安いはずです(例外もありますので注意)
また材料の仕入れの為の物流システムもFCパッケージに入っていることがほとんどです。
発注を行えば、店舗まで届けてくれる。単純に楽です。
問題点としては、メニューを変えれないということです。
このメニューは売れないので無くしたい!
新しいメニューを思いついた!世間で流行っている〇〇をやりたい!!
といった行動は基本的には無理です。
契約の中で、メニュー内容を規制する項目が盛り込まれていることが大半だと思います。
チェーンのブランドイメージを守るためのことなので、チェーン側もここはゆずれないでしょう。
続いて独自での開業の場合、
自由です!
メニューは自分で考えた好きなものができる、価格設定も自由。材料に何を使うかも、全てが自由。
自分の判断で行えます。
これも良いととるか、悪いととるかは人それぞれですが、より柔軟に行動が起こせるのはこちらでしょう。
売れないと思ったメニューを止めることや、世間の流行のメニューをいち早く取り入れる。
また、材料の在庫状況により、日替わりメニューといったものや、その日限定のメニューといったものを出せる自由性あります。
材料も自由です。しかし、こちらは多少難しい点もあります。
仕入れのルートを確保することができるか、専門の業者に当たらなければなりません。
その他のルートとして、業務スーパーや普通の食料品店で仕入れるルートもあります。
どちらにしても同じですが、材料原価は高くなります。独自の仕入れルートを持っている方であれば別でしょうが、そういった方は稀でしょう。
業者から仕入れる場合も、数の暴力には勝てません。大量に買い付けているチェーン店と比較するとどうしても材料原価は高くなります。
商品力では、状況により甲乙つけがたいですが、調理に自信がある人、調理のノウハウがある人、仕入れのルートを持っている人であれば、独自での開業に軍配が上がります。
それ以外の方はチェーン店といったところでしょうか。
マーケティング
どんなにいい商品、良い店舗を用意してもそれを宣伝し、知ってもらわないとお客様は来てくれません。この面で比較をしていきます。
FC(フランチャイズ)の場合
本部がテレビCMやWebCMをうってくれます。大手であれば、新商品やキャンペーンの度にうってくれるでしょう。
そうでない場合も公式サイトや公式SNS等を利用し宣伝をしてくれます。またチェーン店である以上看板(ブランド)があります。
同じ外観、同じ商品である為、新しくできた店舗でもお客様は安心して来店、利用ができます。
チェーンにもよりますが、独自のSNSを利用した宣伝は行いにくいというのは欠点でしょうか。
続いて独自での開業の場合
一切なにもありません!
自身で開拓していく形になります。
TVCMやWebCMを出す、といった宣伝は費用的な面で難しいでしょう。また開業当初は当然、全国に展開しているわけでもないので費用対効果も悪いでしょう。
地域密着という形になると思います。効果があるのかわかりませんが、昔ながらの新聞広告をうつ方法や看板広告をうつというもの。
SNSでの地道な宣伝、または口コミ等々、1つ1つ地道に行動していかなければなりません。
よほどのことがない限りは、いきなりお客様で溢れるといったことはないでしょう。
マーケティング面では、FC(フランチャイズ)に軍配が上がるでしょう。
運営中のランニングコスト
運営中ンランニングコストで比較したいと思います。仕入れ代金や水道光熱費、家賃といった項目はどちらも同じになると思います。
ここではその他でかかる費用にて比較したいと思います。
FC(フランチャイズ)の場合
ロイヤリティーを払い続けなければならない。
売上に応じて、何割かをフランチャイズ料として支払いを続けなければなりません。
これを高いととるか、どうかはそれぞれですが。必ずフランチャイズにて開店を考えている場合は、
この割合・金額をもとに事業計画を立ててください。
当然、本部も事業計画を出しますが、それとは別に自分でも考えてみましょう。
またロイヤリティーが少ない場合はどこかに穴(闇)があります、だいたいの場合は材料原価が高いです。
本部がロイヤリティーを低く設定している分、本部から材料を買わなければいけないという規約を入れた上で、材料の原価に何割かをのせられています。
ここは必ず、確認しておく項目です。
フランチャイズの良い点としては、最低保証がある場合があります。
例えば、P/L(損益計算書)上で、今月は利益が出ない!!といった状況でも、生活に必要な30万円前後は支給・あるいは貸付してもらえるといった制度です。
言ってみれば、死ぬことはないという事です。
ただ私から見ると、生かさず殺さず…といった様相が感じられ逆に恐ろしいです。
続いて独自での開業の場合
ロイヤリティー…そんなものありません!
最低保証…そんなものありません!
生きるも死ぬもあなた次第!
利益が0…そんなこともあるだろう、しかしすべては自分の責任として受け止めなければならない。
成功しているときであれば、利益が増え良いであろうが、そうでないときは大変厳しい状況になると予想されます。
この点では甲乙つけがたいでしょう…申し訳ありませんが、その人次第と言わざるを得ないです。
総評
総評の前にその他もろもろの項目も考えたい。一番大きいと考えるのは営業時間や休日の設定だと思います。
昨今コンビニの24時間営業が苦となり、本部と加盟店が揉めているという話があります。
世間や感情論では、休みもなく24時間営業を強制するなんて悪だ。
という声の方が感情論的に多くなるだろう。
しかしながら、そこは契約で盛り込まれている。
つまり、余ほどのことがない限り、営業をしなければならない。
それを破れば契約解除となってもおかしくはないのである。
では、独自で開業した場合はどうだろうか。
自由です。
定休日の設定や営業時間の設定はそれぞれの判断で行えます。
決定権・裁量権は開業者にあるという事です。
上記の図を知っている方もいらっしゃると思いますが、簡単に説明します。
世間にある職業は上記の4つに分類されます。
更に多くの人間は、E(employee)従業員に分類されております。
フランチャイズあるいは独自での開業を考えている方たちは、このEからSへと移行しようとしている人。あるいはしたい人だと思います。
そこで改めて、フランチャイズのメリット・デメリットを考えたいと思います。
看板(ブランド)は与えられるが、商品内容や営業方針はすでに決められている。
果たしてフランチャイズは自営業と呼べるのであろうか?
確かに、法律上・税制上では個人事業主という扱いになります。しかし、やっていること・やれることは果たしてそうなのであろうか?という問いがあります。
少なくとも、私はそうは思わないです。
確かにサラリーマンと比較すると、明らか自由度は違うでしょう。
しかしながら、契約を守り、定められた範囲内での営業・運営を行う…果たしてこれはサラリーマンとどこが違うのでしょうか?
私が10数年、フランチャイズ事業に関わった経験内での考えです。
結論
フランチャイズか独自での開業、どちらが良いのか・・・
人それぞれです!
そういう身もふたもない結論が出ます。
それだけでは物足りないと感じられるため、補足をさせていただきます。
知識や経験がないが、自営業者としての運営を行いたい、あるいは、そのチェーンの考えやチェーン事態に共感している方はフランチャイズがいいと思います。
強く、これをやりたい!苦労もすべて受け入れる!という強い意志がある方は、独自での開業をおすすめします。
逆に言うと、知識や経験がなく、なんとなく飲食店をはじめたい、軽い気持ちで飲食店をやれば儲かるだろうと考えている方は、独自での開業なんて行わず、フランチャイズでまずは勉強しなさい。
という結論です。
フランチャイズでの営業も甘くはないです。しかしながら、独自での開業に比べるとサポートが手厚くあります。
決してフランチャイズを進めるわけではありません。
開業をするという決心をしている人は決して軽い気持ちで行ってはいないと思います。
しかし勢いでどうにかなるものではありません。
まずは冷静に考えて結論を出しましょう!
しかし!それでも!
私は個人的には、強い意志と勉強をした上での、独自での開業を強くおすすめします!!
意見がある方や、フランチャイズでの開業で相談したいこと、お悩みがある方いましたら、気軽にお問合せフォームよりご連絡ください。
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