しあわせの書
迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術
メカゴリラ評価
読みやすさ: | (3.0 / 5) |
おもしろさ: | (5.0 / 5) |
インプット量: | (2.0 / 5) |
著者 & 出版社
著者
泡坂 妻夫 先生
出版社
新潮文庫
発行年月日
1987年7月25日 第1刷発行
30年以上前の小説です。しかしながら古臭さはほとんど感じなかったです。
作者の泡坂先生は1976年『DL2号機事件』でデビュー。78年に『乱れからくり』で日本推理作家協会賞を受賞。88年に『折鶴』で泉鏡花文学賞を受賞。90年に『蔭桔梗』で直木賞を受賞している、著名な作家さんです。
そしてマジシャンとしても著名である、という事が本書のトリックの上でも役に立っているのだと思われます。
こんな人におすすめ!
こんな方はぜひ
・推理小説好きな方へ。
・刺激的なオチ(トリック)を求めている方へ。
本書の紹介文として秀逸なものがAmazonの商品紹介ページにあった為、そのまま引用します。
驚愕! こんなことが出来るとは。マジシャンでもある著者が企んだ、「紙の本ならでは」の仕掛け。 未読の人には、絶対に本書のトリックを明かさないで下さい。
二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体〝惟霊(いれい)講会〟。超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギガンジーは、布教のための小冊子「しあわせの書」に出会った。41字詰15行組みの何の変哲もない文庫サイズのその本には、実はある者の怪しげな企みが隠されていたのだ――。
マジシャンでもある著者が、この文庫本で試みた驚くべき企てを、どうか未読の方には明かさないでください。
本文冒頭より
「しあわせの書」は桂葉華聖(かつらばかせい)という人の著で、一九八七年七月一日、惟霊講会の出版局から刊行されている。
この本の体裁はA6判二百ページほどの小冊、ごく普通の文庫本といった感じだ。一ページが四十一字十五行、改行が多くゆったりした字組みは、普段、活字に親しまない人達にも読み易いようにという心配りなのだろう。……
Amazonの商品紹介ページより
記載されているように、大きなトリックが隠されています。
私自身この事は知ったうえで読書を始めましたが、自分の頭ではトリックは明かせませんでした。
ぜひ、トリック好きの方には読んで頂き、ご自身でトリックを明かして頂けたらと思います。
そして推理小説としても普通に楽しめました。
推理小説好きな方にもぜひ読んで頂けたらと思います。
どうしてもネタバレが知りたい方は下記記事をご参照ください。
できれば、ご自身で読み、トリックを自分の手で見つけるのをおすすめします。
なぜ購入したのか?
とあるYoutubeで紹介されていた
すごく気になる!
ゆる言語学ラジオで紹介
こちらの動画にて【ハードル超え本】【裏切り本】として紹介されております。
この動画内での紹介が大変気になり興味を持ちました。
ゆる言語学ラジオでは言語学の話が中心ではありますが、書籍の紹介や引用も多々あります。
私も楽しみに見ておりますが、興味のある方は他の動画もぜひぜひ。
ブックオフオンラインの店舗受け取りで購入
趣味のブックオフ巡りで、ぶらぶら古本探しをしておりましたが、なかなかこの書籍と出会えませんでした。
しょうがなく、オンラインで購入しようと思いましたが、せっかくなので使ったことのないサービスを利用しようと思いました。
ブックオフオンラインで購入をしました!
こちらは欲しい本の在庫がないときは、登録しておくことで、入荷をした際に通知が来るというものでした。
10日ほど待っていたら通知が来て購入に至りました。
その際に、店舗受け取りを利用しました。送料が無料になり大変お得です!
気になる方は調べてみてください。引き続きブックオフの回し者みたいですね(笑)
→ブックオフオンライン
在庫があれば、amazonの方が送料かからなければ安いとは思いますが…。
内容
ストーリーは普通の推理小説。
オチが全て?
ジャンルは推理小説です。
カルト宗教的な宗教団体と、その周囲で起きていく事件。
そして主人公のグループがそこに関わり、巻き込まれていく、そして謎を解き明かすという王道(?)な流れです。
推理小説なのでネタバレを避けるため、内容はこの程度の紹介にさせて頂きます。
レビュー
完全な主観での評価・批評です。
気分を害される方がいたら、ゴリラの戯言だと思いご勘弁ください。
本書を読んだ時点での私の評価になる為、時が経った後で評価は変わると思いますが、読んだ時点での私の知識量に基づいた評価になります。
メカゴリラ評価の軸
・読みやすさ → 文章の構成や章立てにて評価、書籍の種類によっては画像や図も参考に
・おもしろさ → 単純な内容の評価、喜怒哀楽すべての感情含めて
・インプット量 → 知識を得られたかの評価、単純な知識や価値観も含めて
読みやすさ
読みやすさ: (3 / 5)
良い意味で読みやすいけど、
前半は少しダレるかな?
本書のトリックにも関係してきてしまうところですが、空白や改行が多用されます。
その為240ページほどの小説なのですが、案外サクッと読めます。
ただ前情報として知っていた為、そこまでではなかったのですが前半は少しダレます。
おもしろさ
おもしろさ: (5 / 5)
トリックはもちろんおもしろい!
普通に推理小説としても楽しめた!
前述したとおり、Youtubeの【ゆる言語学ラジオ】にて本書を知りました。
その紹介の中で、『最後の数10ページが面白いが、それ以外は最高につまらない』と評されておりました。
その前情報を持って読んだ身からすると、普通に推理小説としても楽しめました。
とんでもなくおもしろい!というわけではありませんが、普通に真相が判明していく過程は驚きもあり、楽しく読めました。
当然ながら最後の大オチ・トリックは驚きと共に大きく感心しました。
インプット量
インプット量: (2 / 5)
インプットは
さすがにないなぁ…
さすがに、インプットという面では、ほぼありませんでした。
ただトリックの面で、こういうことも出来るのか!という意味で☆2にさせて頂きました。
総評 おわりに
本書はタイトルや表紙の絵からも、うさん臭さが全開です。
本の情報を知らなければ、謎の自己啓発本なのかな?と思う事や宗教のやばい本かな?と感じる方が大半だと思います。
決して推理小説とは思わず、ましてや大きなトリックが隠されているという事など知るに及ばないはずです。
この面ではこの書籍は、知っている人の手にしか取られないことを考えると損をしていると感じてしまいますが、30年以上前の本でもあり、わかる人だけわかればいいのかな、とも思ってしまいます。
私は紙で本を読むのが好きなのですが、この書籍のような紙の本で行われることがメリットである本があれば、他にも読んでみたいと思いました。
もちろん便利なので電子書籍も利用しておりますが。
みなさまもぜひ読んで頂き、このトリックに驚きと感心を覚えて頂きたいなと思います。
どうしてもネタバレが知りたい方は下記記事も見てみてください。
メカゴリラ成長度
成長度: (1 / 5)
成長したこと
・電子書籍ではなく、紙の本だからこそ出来るトリックというものが知れた!
泡坂妻夫先生の他の作品はこちらからどうぞ
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