思考の整理学
メカゴリラ評価
読みやすさ: | (3.0 / 5) |
おもしろさ: | (3.0 / 5) |
インプット量: | (4.0 / 5) |
著者 & 出版社
著者
外山 滋比古 先生
出版社
筑摩書房
発行年月日
1986年4月24日 第1刷発行
この書籍の発行日を見て驚きます。
発行日にはまだ私は生まれておりません…。
1986年に何があったか調べてみたところ、チェルノブイリ原発事故やビートたけしさんによる、フライデー襲撃事件があったとの事です。
全く時代感がわかりません(笑)
書籍の内容ですが、この時代からこんな考え方だったとは驚きしかありません。
こんな人におすすめ!
こんな方はぜひ
・思考、考え方の整理を行いたい方
・ものづくり、コンテンツ作りに携わっている方
・自分の思考の流れを再確認、言語化したい方
この書籍はすべての方におススメできると感じました。
【思考の整理学】という書籍の名前の通り、思考の整理→考え方の流れや方法を教えてくれます。
また、コンテンツを作成している方にとっては、非常に有用な本だと思います。
コンテンツ作成者の端くれと自称する私ですが、【思考の整理】に大変有用でした。
今まで自分も行っていた思考の流れを改めて“言語化”し説明してくれ、「この流れで良かったんだ」と再確認させてくれました。
東大・京大 この10年で1番読まれた本
刊行から36年、驚異の126刷、263万部突破!
筑摩書房 思考の整理学ホームページより
アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?
自らの体験に則し、
独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、
格好の入門書
公式ページには上記の説明がされておりました。
東大や京大に入っているような頭のいい方たちが1番読んでいる本という事で、読んだら仲間入りできるかもしれませんね?笑
ちなみに私は東大・京大はおろか大学にすら行っていない、専門学校卒の低学歴ですが、楽しくこの書籍が読めました(笑)
頭の良い人だけが読む本ではなく皆が楽しめると思いますので、安心して下さい(笑)
また文庫本として出ており、大変安価で入手できます。
実際私もブックオフにて中古でジュース代ぐらいの金額で入手しました。
ジュースや缶コーヒー1本分と考えると大変お得な気分です。
なぜ購入したのか?
とりあえず安いし、
聞いたことあるから買ってみよう
超有名本!
前述しておりますが、この本は超有名です。
たぶん私も何かで聞いたのかYoutubeの動画で見たのか…。
正直、まったく覚えておりません!笑
しかしタイトルは聞き覚えがありました。
本書との出会い
そんな中、趣味のブックオフ巡りにて古本をぶらぶら見ていたところ、文庫本のコーナーにて発見しました。
金額は100円+税だったか、200円+税だったか…。
どちらにせよ大変安価です。
何冊か購入した際についでに買った記憶があります。
「安いし、まぁいいかー」ぐらいの気持ちで買いました。
結果は大満足です!
みなさまもブックオフに行った際には探してみてください!
(ブックオフの回し者みたいですね笑)
内容
内容が濃すぎる…
こんな昔からこんな考えが…
目次(一部抜粋)
・グライダー
・不幸な逆説
・朝飯前
・発酵
・情報の“メタ”化
・整理
・第一次的現実 等々
上記は章の表題の一部抜粋です。合計32章にて紹介されております。
全ての内容を紹介するわけにはいかないので、(決してめんどくさいわけではありません笑)
私が特に惹かれ、読書メモを取った内容を元に紹介をしていきます。
グライダー
自力で飛ぶことが出来るものを【飛行機】、自力では飛べないものを【グライダー】と分類しております。
また学校は【グライダー人間の訓練所】と皮肉が記されております。
朝飯前
朝飯前→[朝食前にできるほど簡単] という意味です。
これを超解釈している(笑)
朝の方が頭が回っていて思考が回る
↓
朝食の前に終わらせたい
↓
ならば、朝食を遅くとればいい!
読んでいた時には、そういう解釈?と笑ったが、納得できる部分はありました。
それは、
・夜につまづいた事は、翌日の朝に回すこと
・空腹時の方が頭が回ること
です。
科学的な根拠は記されてはいなく、健康的な面ではどうなのかという疑問も残るが、私自身も納得できる部分があるなあと思いました。
しかし私は朝食は食べたい!少なくともコーヒー等の水分は必要!派である。
発酵 ~ セレンディピティ
このⅡ章では、思考の発展のさせ方が記されております。
主な考え方は、『1つのことに集中しすぎない、行き詰ったら寝かせよう』という事が話の中心です。
【見つめるナベは煮えない】
【ひとつだけでは、多すぎる】
【エディターシップ】
【セレンディピティ】
といった大変興味深いことが多数ありました。
すごく簡単にまとめると、
【見つめるナベは煮えない】は、あまり注意しすぎては良くない。ということわざです。
【ひとつだけでは、多すぎる】は、ひとつに絞らず、いろいろな説を学ぶこと。
【エディターシップ】は、知識を組み合わせて、順序をかえること。
【セレンディピティ】は、あえて中心のことを寝かせて、周辺に置くことによって見えてくることがある。
といったことです。
情報の“メタ”化 ~ メタノート
このⅢ章では、考え方や思考という本質の話から、急に情報の集め方や、メモの仕方・手法といった、
How toのような事が多く書かれています。
スクラップの仕方や手法、ここでは新聞を例に出しておりますが、新聞というのはさすがに時代を感じます。
現代では新聞をデジタルの記事と読み替えれば、本質は変わらないと思いますが。
手帳やノート・カードでの整理法が記されております。
整理 ~ ホメテヤラネバ
Ⅳ章でも多くの教えがあります。
【人間の脳は倉庫ではなく、工場にすべき】
という教えがあります。不要なものは整理して生産性を上げるという教えなのですが。私は自分の脳をデスクと考えて整理整頓をしていました。
工場とデスク…規模感が違いすぎて敗北感がすごいです。
【忘却の大切さ】、【思考の整理とはいかにうまく忘れるか】
いかに大切なことを周囲に置き、忘れる時間を作れるか、それにより思考が深まり、整理されるため、その時間をいかに作るかが大切である、という教えです。
自分に当てはめてみました。
私はゲームが好きです。しかも単純な作業ゲーム好きで、スマホでよくやっております。
少しでも頭を使うゲームは避けていますが、この時間が忘却の時間に当たる気がします。
(すごく都合のいい解釈ですが笑)
またタイトルの大切さも記されております。
【タイトルはなるべく名詞のみで中身が気になるものにする】
というものがありました。私はこれが大変苦手です。
しかし、この章での教えをいかし、記事作成に役立てていこうと切に思いました。
【とりあえず書いている、書き出したら案外進むもの】
【一度最後まで書いてみてその後に推敲する】
【推敲の手間は惜しまない】
実践します!!
しゃべる ~ ことわざの世界
Ⅴ章ではアウトプットが中心に記されております。
【話をするのがだいじ、新たな発見がある】と記されており、やはりアウトプットがいかに重要なのかがわかります。
【インブリーフィング(近親交配)】が良くないことを挙げ、他分野の人との会話をすることを推奨しております。企業も同様であり、同族経営ばかりでなく外部の血を入れることを推奨しているのは、思わず、なるほどなと小学生並みの感想が出てしまいます。
ここで例に挙げていた、“桃太郎”の話が抽象化がおもしろく秀逸でした。
桃太郎の桃 → 流れ者の女性
そこから生まれた桃太郎 → 優等である
と抽象化しております。
桃を女性に例えると、父親がいないのは憐れである。というのは、家庭での男性の立場を物語っており悲しくなりました。
良い考えの生まれやすい状況 三上
・馬上 → いまなら通勤電車の中 運転中の音楽・ラジオもありかも
・枕上 → 床に入って眠りにつくまでよりも、目を覚まして起き上がる前までの方が効果的
・厠上 → トイレは妨害されず一人になれる。本を読むのも効果的
文章上達の秘訣三か条 三多(さんた)
・看多 → 多くの本を読むこと
・做多(さた) → 多く文を作ること
・商量多 → 多く工夫し、遂行すること
思考の形成に役立つ 三中
・無我夢中
・散歩中
・入浴中
いずれも【最中】である。
また、【ことわざ】についても言及しております。
【ことわざ】とはパターンにして一般化・記号化したものである。
具体例を抽象化し、さらに定型化したものである。
と記されております。
ここから自分だけの【ことわざ】を作り上げることが【思考の整理】につながると説明されております。
第一次的現実 ~ あとがき
現実の世界を以下の2つに分類しております。
【第一次的現実】 → リアル(現実世界)
【第二次的現実】 → 頭の中、テレビの中(今だとSNSも同様でしょう)
【第二次的現実】は考えが都合よく、始末がいいが【第一次的現実】はそうはいかない、汗を流したり、働いたりする中で、【考えて】【整理する】ことが重要である、と記されております。
【既知のことを再読する】【未知のことを理解する】
【未知】のことを理解するのは想像力が必要で大変であるとも記されております。
小説を読む際であれば【未知】は【作者の思想・メッセージ】である。
【未知】と【既知】を行き来することが重要である。
レビュー
完全な主観での評価・批評です。
気分を害される方がいたら、ゴリラの戯言だと思いご勘弁ください。
本書を読んだ時点での私の評価になる為、時が経った後で評価は変わると思いますが、読んだ時点での私の知識量に基づいた評価になります。
メカゴリラ評価の軸
・読みやすさ → 文章の構成や章立てにて評価、書籍の種類によっては画像や図も参考に
・おもしろさ → 単純な内容の評価、喜怒哀楽すべての感情含めて
・インプット量 → 知識を得られたかの評価、単純な知識や価値観も含めて
読みやすさ
読みやすさ: (3 / 5)
小難しそうな本なのかな?
(読む前の印象)
200ページほどの書籍であり、ほぼ図もない。
決してさらっと読めるかと言われればそうではないと思います。
ただ章立てがうまく、各章が適度な長さで、少しづつ読み進める分には結構読みやすいのではと感じました。
例えや引用が多く、わかりやすく説明してくれているのも、読みやすいポイントでした。
また各章のタイトルのつけ方は秀逸であると感じました。本書の中で記されている、名詞のみや中身が気になるものに、という事が実践されていると感じました。
読書が苦手な人でも、少しづつ読むという方法をとれば、十分読破できると思います。
また少しづつでも読み進める価値のある本だと思います。
おもしろさ
おもしろさ: (3 / 5)
こんな古い本がおもしろいのかな?
(読む前の印象)
この本が新刊で現在に発売されていたら、おもしろさは☆1つ以上下がっていたと思います。
やはり、おもしろいと感じたのは1986年という時代からこの考えであったという事です。
この時代は『コンピュータに人間の仕事が取られる』という表現があります。
現代の『AI(人工知能)に仕事が取られる』と全く一緒だと思います。
時代は繰り返すと表現すればいいのか、進歩していないと表現すればいいのか。
著者が優れ、先を見ていたのか、それとも現代が変わっていないのか。
非常に複雑な心情ですが、根本の考え方は変わっていない・重要なことは同様であるという点は非常におもしろく、また興味深かったです。
インプット量
インプット量: (4 / 5)
思考が整理された!
(小学生並みの感想)
新たな発見、本書風に言うと【未知】はたくさんあるわけではありません。
ただ書籍の名前の通り、【既知】のことを整理してくれます。また本書を読みながら時代を超えて【抽象化】することにより、【未知と既知の行き来】を学びながら実践でき、非常に心地よい読書体験になります。
いままで、なんとなく行っていた思考の流れを言語化し、整理してくれることにより、『これは正しい』『これはよくない』と後押しをしてくれる気がしました。
【インプット】ではなく【整理された】、これにより新たなインプットがある感覚です。
総評 おわりに
本書を通読し、なぜこんなに売れているのかがわかりました。
1986年発行という古書に当たるのではないかという過去の本。
現代の目まぐるしく変化する【VUCAの時代】やら、なんやら言われる世の中ですが、根本的な本質の考え方というものは、変わらず通づるものである。決して色あせないものなのだと感じました。
本書のあとがきにも記されておりますが、How to本としてではなく、根っこの思考を深める本として自分の糧にしたい。いや、する!と思いました。
読まれていないにはぜひ読んでみてください。おすすめです!
お近くの古本屋にでも行ったとき、ぜひ飲み物1本我慢する代わりに購入するのをおすすめします(笑)
メカゴリラ成長度
成長度: (4 / 5)
成長したこと
・セレンディピティという考え方
・本書のタイトルの通り、思考が整理された!
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